半農半Xの実践。農業から得られる経験が人生に必要なことを教えてくれた。


今回reerの出演者は〝平成の開拓者〟片山 智弘(かたやま ともひろ)さん。

 

平日に本業でシステムエンジニアをしながら、週末は「未来の子どもたちの健康な心と体づくり」をテーマに「農道‐nodo‐」を極める活動をしている。


「農道‐Nodo‐」とは、

  1. 農道…道のこと。家と畑をつなぐ道
  2. ノード…節点。コンピュータ分野では通信ネットワークを構成する、中継点・分岐点・端末のことをいう
  3. No do…(ノー・ドゥ)何もしない。農業にテクノロジーを入れてはいけない、自然のままが大切。

の3つの要素が三位一体となった考え方で、食を通じて人の心を豊かにする試みのこと。

 

活動については、Facebookページもご覧ください


 

その活動は「無農薬野菜の販売会」「農家さん訪問ツアー」「こども食堂や被災地への食糧支援」など、バリエーションに富んでいます。

販売会の中で実施する試食会では、「野菜の本当のおいしさ」を実感してもらうために、自ら腕を振るって「野菜まぜご飯」や「煮物」、「ひじきの炒め物」などを振る舞う。

 

なにがきかっけでパラレルキャリアをはじめた?

大学を卒業して福岡のITメーカーに就職しました。

就職して1年くらい経ったときUP代表の山下氏と知り合い、大阪に出てくることになりました。

大阪では、リサイクルショップで働いたり、UPの事務局も経験したりしました。その後、IT会社に再就職して今に至ります。

 

ある時、起業家が集まるイベントに参加したら、そこで農業に出逢って「自分にできるかも」と思ったのが最初のきっかけでした。

「自分には何ができるのだろう」と考えたとき、「健康に関することをやってみたい」と思いついたんです。

「食事を大切にしていきたい。その食事を支えているのは農業だから、農業を発展させれば人の幸せにつながる」と確信したことが始まりでした。

 

畑(農業)をしたいなと思って場所を探していたら、ビルの屋上で畑をやっている方と知り合いました。

その方からいろんなことを教えてもらいながら農家さんも紹介してもらったりして、活動がちょこちょこ(少しずつ)進んでいきました。

〝自分のできること〟を少しずつやってきました。それが「販売会」や「試食会」です。その活動の中で、「(人が)生まれてきて良かったと思ってもらえる食世界を実現したい」という想いが強くなって、そこから「農道‐nodo‐」というテーマ(考え方)が生まれました。

 

パラレルキャリアのいいところ、難しいところ

いいところは「相乗効果を生むところ」です。

本業でやったことが、サブでやったことに。サブでやったことが本業に活かされます。

お互いがお互いに効果を生むのがいいところです。

 

難しいところは、「選択」です。いろんなつながりができて、いろんなことができるので「選択していく」ことが難しいです。あっちこっちに手を出していると、自分のしたいことからズレていってしまいます。

活動しているといろんな話をもらえるので、その中から何を選択してどう取り組んでいくかを決めるのが難しいです。

 

パラレルキャリアに必要なもの、ほしいもの

ほしいものは、「選択する力・勇気」です。パラレルキャリアでは、何をして何をしないかがポイントとなり、「断ること」も必要になってきます。

選ぶことには勇気がいります。そこには「やるんだ!」という決断力が必要です。

 

他に、欲しいものは「体力」かな(笑)。

パラエルキャリアは行動した分だけ進んでいけます。活動を続けるためには「体力」が必要です。

平日は夜も活動して、朝は毎日6時に起床します。

朝ご飯は食べないです。要らないと思っています。なぜなら、空腹の時間が人間としての生命力を高めてくれるからです。

胃を休める時間、腸を休める時間をつくることが必要だと思っています。その分時間もできるので、本を読んだり、座禅をしたりして自分を磨いています。

 


〈みやっちの豆知識 その①〉

「『空腹』が人を健康にする」(南雲吉則著)によると、空腹状態が、人間の体にとって重要な働きをするといっています。空腹でお腹が鳴ると、体にいいことが細胞レベルでどんどん起きて、若返りの効果があるのです。

 

その発見のきかっけは、「私たちの体は、空腹であればあるほど生命力が活性化し、若返るのではないか」という仮説でした。その仮説に基づいてサルを使った様々な実験がされ、飽食のサルは毛が抜けて顔の皮膚がたるみ、老化が進んだにもかかわらず、食餌制限したサルは毛並みがつやつやして皮膚にもハリがでてくるという結果がもたらされました。

 

このサルの老若を左右したのが、「サーチューン遺伝子」です。これは別名「延命(長寿)遺伝子」とも言われ、空腹状態におかれたとき、人間の体内に存在している50兆個の細胞の中にある遺伝子をすべてスキャンして、壊れたり傷ついたりしている遺伝子を修復する、という働きをすることが明らかになりました。  

 

この実験を基にしたあらゆる動物実験で、食事の量を4割減らしたほうが表情もいきいきして毛並みもよく、外観が若く美しくなることがわかっていったのです。

この遺伝子をうまく使うための方法、それが〝食事〟のコントロールなのです。


 

座禅はいいです。「自分を高めたい」と思ったときがあって、その時、グーグルで「マインドフルネス」という瞑想法をやっていると知って自分もやってみたいと思ったんです。

 

私たちは、”今”にフォーカスを当てるべきです。人は、今この瞬間瞬間を生きているので、ムダにするのはもったいないです。

農業を選択して良かったと思っています。

 

以前は、実家が農業していることもあって「ダサいな」と思っていて、あまり興味もありませんでした。

農業は、体をつかい、頭を使い、心を使います。〝感じる仕事〟として農業は面白いです。このような「体を使い、頭を使い、心を使う仕事って、なかなかできないことじゃないかなと思っています。

 


〈みやっちの豆知識 その②〉

瞑想は、スティーブ・ジョブズやサッカー日本代表の長谷部選手も実践し、脳科学者の茂木健一郎氏も推奨しています。

「心」について長谷部選手は、自身の著書「心を整える」の中で、車にとっての「エンジン」、ピアノでいう「弦」に例えています。そのため心は「調整する」「調律する」といった方が適していると書かれています。

 

プロサッカーの世界では24時間息つく暇がありません。このような日々に慣れてしまうと、ちょっとした時間ができても逆に落ち着かなくなって何をしたらいいかわからなくなってしまうのだそうです。

日々がそのように過ぎ去っていくと、自分を見つめる時間がとれず、心が荒んでいく一方です。そのため、長谷部選手はどんなにハードなスケジュールの時も、一日の最後に必ず30分間、心を鎮める時間をとっているのだそうです。


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パラレルキャリアって実際にどう?

「甘くないな…」というのが率直な感想です。

販売会も人がなかなか集まらないこともあります。また、「いい野菜ですよ」というのがなかなか人に伝わっていきません。「もっと戦略を練らなきゃ」と思います。それが楽しいです。

 

生きてい行くためだけなら、ただ食って寝て生きていけます。その中でどうやって生きていこうかなと思ったら、自分のできること、役割を見出すことだと思います。

農業では、雑草にも役割があります。

例えば、トマトにはアブラナ科を一緒に植えるといいんです。アブラナ科の植物は虫が嫌がる効果を持っているんです。

 

雑草にも役割があって、お互いがお互いを支え合っているんです。

また、植物は競わせると成長が強くなります。人間が刺激を受けることによって育つのと一緒です。


〈みやっちの豆知識 その③〉

植物同士の相性のことを「コンパニオンプランツ」と言います。

近くに植えておくと虫が付きにくかったり、元気によく育ったり、お互いの生長に良い影響を及ぼす植物の混植のことをいいます。

 

アブラナ科植物(ハクサイ・ダイコンなど)とキク科植物(レタス・春菊など)は、近くに植えることでお互いの害虫を忌避する効果があるとされています。

また、虫を除けるといえば「除虫菊」。蚊取り線香の原料のキク科の植物ですね。

片山さんは、植物の成長と人の成長を重ね合わせて話をしてくださいました。「人」という字もお互いに支え合っている様を表している字でしたよね。


 

これからの展望は?

自分の信念を貫き通して農業をやっていきたいです。

イベントを中心に野菜の販売をやって、農家さんを盛り上げていきたいです。

 

そうすれば、みんなの食べ物が良くなります。

また、農家さんから直売できるECサイト(インターネット上で商品を販売するウェブサイト)を作ってみたいです。

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【筆者ひとりごと】

今回のreerでは、片山さんの「今を大切にする姿勢」に大きなパワーをもらいました。

お話をお聞きしながら、「今今と今という間に今はなく、今という間に今は過ぎゆく」という句を思い出していました。

「今」の時間的な感覚は「刹那(一瞬のこと)」です。「一所懸命」の「一所」とは「今、ココ」という意味でないか、「今、ココに懸命になること」が人生を豊かにするために必須の姿勢ではないだろうかと気づかされました。

 

片山さんは、「今の人たちは頭で生きています。ココロで生きていくことも大切です。」とおっしゃいました。

お話の中で、片山さんが言っていた「感じる仕事」とは「感じる〝志〟事」のことなのでしょう。片山さんにとっての「農道‐nodo‐」とは、自らの志を遂げていくライフワークなのです。

 

みやっちは本業で、研修講師として人材育成に携わっています。片山さんからは「植物を育てる過程は、人を育てる過程にも通じる」ということを気づかされました。

今後ますますご活躍されますことを心から祈念申し上げます。


ライター 宮田 政勝(みやた まさかつ)「本業×ライター」

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1972年生まれ。
大学卒業後、生活協同組合へ入社。
本業では、ドライバー、職員育成トレーナー、新規顧客開拓、教育部署マネージャー、研修講師、営業マネージャー等様々なキャリアを経験。
全国的にヒットした「いいでしょう!研修(営業スキル研修)」「できる!研修(コーチング研修)」の開発や全国での研修講師教育教材の製作や研修プログラムの作成に携わる。
現在は営業マネージャーとして、後進の育成に励み、研修として、「花まるビンゴ研修(質問型営業)」「小学生から学ぶ計画づくりの真髄」「VMDの教科書(ビジュアル・マーチャンダイジング)」などの研修の開発、講師を務める。

また、本業に勤しむ中、書籍出版の夢に向かって彼自身もパラレルキャリアで活動中である。
約5年間毎日ブログを書き続け、ライターとしても活動している。


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