働き方改革とは?

TVやインターネットで頻繁に「働き方改革」という言葉を聞いたことはあると思いますが、その事態に関してはよく分からないという方も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、国が最重要項目として取り組んでいる「働き方改革」についての概要と、働き方改革を取り入れることによる企業や労働者のメリットについて紹介していきます。

働き方改革の簡単な概要を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

働き方改革とは?

そもそも、「働き方改革」とはどんな取り組みのことをいうのでしょうか。まずは、働き方改革の概要についてお伝えしていきます。

「働き方改革」が世間的に広く認知されるようになったのは、2018年7月6日に「働き方改革関連法」という法律が公布され、2019年4月1日より施行されたことがはじまりです。

働き方改革関連法には、労働環境や労働者の働き方に関するいくつもの改善すべき事項が記載されており、企業がこれら事項の改善へ取り組むことを総称して、世間一般では「働き方改革」と呼ばれております。

ちなみに、働き方改革関連法の正式名称は、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」であり、その略称として「働き方改革関連法」、または「働き方改革一括法」ともいいます。

 

働き方改革と一億総活躍社会

働き方改革は、国が力を入れているもう1つの施策である「一億総活躍社会」構想とも密接に関わっています。

一億総活躍社会は、人生100年時代を見据え、経済成長・子育て支援・安定した社会保障の3つの実現を目指す社会構想のことであり、首脳官邸のHPでも一億総活躍社会について下記のように記載されております。

〇若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会

〇一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会

〇強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム

(出典【一億総活躍社会の実現│首脳官邸HP】:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/index.html)

国や政府も、働き方改革や一億総活躍社会構想の推進に力を入れておりますが、その背景には、今後の日本が直面するであろう大きな課題の1つである“労働人口不足”が挙げられます。

 

労働人口不足を解消するための3つのポイント

一億総活躍社会構想を実現するためには、国が主導になって働き方改革を推進することにより、日本における“労働人口不足”問題を解消しなければなりません。

労働人口不足を解消するためには、大きく3つのポイントがあります。

〇働き手を増やす
〇労働者1人あたりの生産性の向上
〇日本の出生率の向上

TVや新聞などで、毎日のように『少子高齢化問題』のニュースを目にする現代において、働き手が減っていくのは避けられない問題です。

内閣府のデータによれば、日本の総人口は2048年には1億人を割る見込みで計算されており、2100年以降では4500万人程度までに人口が減少するといわれております。

総人口が減少するにつれて、労働人口も減少します。労働人口が少なくなれば、その分既存の労働者への負担が大きくかかり、企業や労働者1人あたりの仕事の生産性が下がってしまいます。

また、少子高齢化問題のそもそもの根源である「出生率の低下」においても、出産後の女性の
キャリアパスを考慮した人事制度や、企業にある育休制度の取得をしやすくするなど、子供を産む女性の負担を軽減する取り組みが必要になります。

多方面からの様々な危機に直面している日本においては、上記3つのポイントの解消へ向けて働き方改革を推進することで、労働者が働きやすく、かつ理想のライフスタイルを送れるような社会を作る必要があります。

 

働き方改革における3つのポイントとは?

働き方改革では、“改革の総合的で継続的な推進”を大前提として、最重要項目としての3つのポイントが定められております。。

〇長時間労働の是正と、確実な年次有給休暇取得
〇同一労働同一賃金の実現
〇高齢者の就労促進

では次からは、それぞれのポイントについて簡単に解説していきます。

 

長時間労働の是正

みなさんは、「企業戦士」や「モーレツ社員」という言葉を聞いたことはありますか?
戦後間もない日本においては、企業や社会のために身を呈して仕事に勤めるサラリーマンがもてはやされておりました。

「企業戦士」や「モーレツ社員」という名称は、家族や家庭のことは顧みずに会社や上司の命令のままに働くサラリーマンを、戦場の兵士や、当時放送されていたCMのキャッチコピーにちなんで命名した比喩表現のことです。

高度経済成長期以来の日本では、“働けば働くほど待遇が良くなる”時代であることから、「長時間の労働=仕事をしている」という一種の価値観が芽生え、それが日常的に行われておりました。

しかし、身の周りの生活インフラや労働者を取り巻く環境が大きく変わった現代では、「企業戦士」や「モーレツ社員」のような働き方は、時代に合いません。
けれども、過去からの流れが途絶えず、「仕事は長時間するものだ」という考えが未だに根付いているのが現状です。

そのため、働き方改革では企業における長時間労働の是正措置として、労働時間に関する制度の見直しをしました。

・残業時間は月45時間、年360時間を原則
・臨時で特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間を限度に設定

働き方改善を進めるには、まずは労働者の長時間労働を改善しなければならず、この制度が広く浸透してようやく次の施策が打てるようになります。

また、サラリーマンの長時間労働を削減するためには、有給休暇を確実に取得できるような仕組みも欠かせません。

中には、有給休暇を積極的に取得するように促す取り組みを行なっている企業もありますが、それでもなお、若手社員を中心に「有給を取りにくい」という声はよく耳にします。

働き方改革においては、【10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時期を指定して与えなければならないこととする】と定められました。

これにより、今までは労働者の申請でしか取得できなかった有給休暇が、使用者側(企業)から義務として与えられるものとなりました。

 

同一労働同一賃金の実現

正社員をはじめ、派遣社員やアルバイト、パートタイマーなど、企業の中では様々な雇用形態の労働者が仕事をしています。

多種多様な働き方が広まりつつある一方で、「同じ仕事・同じ業務をしているのにも関わらず、正社員と派遣社員では貰う給料が異なる」という問題が起こっています。

欧州諸国に比べて、日本は正社員とパートタイム労働者の給料の差が大きく離れており、平均すると、パートタイム労働者は正社員の6割程度の給料しかもらっておりません。
(他国の例として、ドイツでは8割、フランスでは9割)

働き方改革では、この同一労働同一賃金問題に対して、【雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保】として非正規雇用の待遇改善を図ることを定めております。

・高齢者の就労促進

労働人口不足を解消するための1つの策として、「働き手を増やす」ことが挙げられますが、高齢者の就労の場を増やすことも、働き方改革の取り組みとして定められております。

人口減少が起こっている日本では、将来的には継続雇用年齢や定年年齢の引き上げを進めることが考えられ、そのためには、高齢者が就労できる環境を整えることが必要になります。

60歳以上の労働者を対象にしたアンケートでは、「65歳を超えても働きたいという人の割合が65.9%」という結果もあります。国は今後は、希望する労働者の雇用機会を増やし、労働人口不足解消へ向けて働き方改革を推進しています。

 

企業が働き方改革を取り入れるメリット

働き方改革の概要をお伝えしましたが、中には、「労働者にとってはメリットだけど、企業にとってはデメリットなのでは?」と考える方もいるかと思われます。

しかし、企業にとっても働き方改革を積極的に取り入れるメリットはたくさんあります。

〇長時間労働の解消により、残業代を削減
長時間の労働を解消することは、その分無駄にかかっていた残業代も減らすことにつながります。

〇労働者1人あたりの生産性が向上する
人間が1日に使えるエネルギーの量は限られています。午前に出社して仕事をしても、夕方の帰社時間にはほとんどエネルギーは無くなってしまい、仕事に向けられた集中力も継続しません。

しかし、長時間の労働を減らすことで無駄なエネルギー消費を省き、エネルギーの無い状態でダラダラと残業することも防げるため、仕事へのパフォーマンスの向上や業務効率化につなげることができます。

〇社会的な評価を得られる
昨今、「ブラック企業」という言葉をTVやインターネットで目にする機会は増えてきました。それほどまでに、現代の日本のサラリーマンの働き方は問題視されております。

そんな中でも、「働き方改革を実際に積極的に取り入れている」ことをPRすることで、世間的にも良い評価を得られることが可能です。

また、現在は若者を中心に“仕事よりもプライベートを重視する”というライフスタイルが広まりつつあります。優秀な若者の中には、“比較的自由な時間を作りたい”と考える人も少なくはありません。

「残業なし」、「有給休暇取得100%」といった取り組みを推進していくことで、企業にとっての優秀な人材を取得できるチャンスにもつながります。

 

働き方改革の課題や問題は?

働き方改革を積極的に取り入れるメリットは多くありますが、一方で、働き方改革を進めるにあたっての課題もあります。

まずは、「同一労働同一賃金」を実現することの難しさです。
一部の雇用形態の人たちからの反発意見もあがると考えられますし、パートタイム雇用の人件費を正社員と同じ水準にすることで、結果的には企業にかかる人件費が増えてしまいます。

他にも、労働者側としても、長時間の労働を制限されることで、残業代を見越した働き方ができず、実際の給料が減ってしまいます。

加えて、時間を制限しても、元々の仕事量が変わらなければ意味がなく、スケジュールがあっぱくされてしまい、結局は就業時間後は家に仕事を持ち帰らなくてはなりません。

働き方改革には労働環境を改善できるという良い面もありますが、それを推進するには、数々の課題を1つずづクリアしていかなければなりません。

 

働き方改革まとめ

今回は、働き方改革の簡単な概要と、働き方改革を取り入れる際のメリットについて紹介しました。

長時間労働や、労働人口の不足など、現代の日本のサラリーマンの働き方や働く環境は問題視されており、一刻も早い改善が必要になります。

今後ますます労働者の働き方について注目がされる中で、企業は、働き方改革へ向けての取り組みを推進していくことはもちろんのこと、私たち労働者自身も、働き方改革については他人事とは考えずに、理解を深めなければなりません。

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